いつもお世話になっております。TeeZeeです。
新世代のグループが大躍進した2016年を締めくくるにあたり、少し過去を振り返ろうと思います。
ほんの5年前、私がK-POPそして韓国文化に興味を持ちはじめた2011年です。
この年活躍したアーティストの何組かが、2016年に節目を迎えました。

写真A

実はこの年の12/30に、年末歌謡祭の一つであるKBS歌謡大祝祭を現地で観覧していました。
その観覧レポートを交えながら、2011年のK-POPガールズの活躍を紹介したいと思います。
いつもに増して長くなりますが、よろしければお付き合いください。

■2011年のK-POPガールズ概要
この年の状況のイメージを持っていただくために、簡単に言うとこんな年でした。

○KARA+少女時代の日本活動が全盛期を迎え、年末の紅白歌合戦にも出場しました。
 また、後を追う形でT-ARA、Afterschool、RAINBOWなどが次々と日本デビューしました。
 7月にはミュージックバンクが東京で開催され、超豪華メンバーが集まっていました。
○一方で韓国内では、デビュー2~3年目のグループがしのぎを削り、全体的には活況でした。
 反面、その層が厚すぎたためか、新人グループの多くはあまり目立てませんでした。

■2011KBS歌謡大祝祭出演者
番組のオープニングで全出演者が紹介されるのでご覧ください。



全体で20組と、他の歌謡祭に比べて少ないです(同年のSBSは30組、MBCは43組)。
その他に東方神起が翌日の紅白歌合戦のため録画で出演したのに、KARAは出演しませんでした。
(少女時代も翌日紅白なのによく出演したなぁと思いました。この時が私の少女時代初観覧です)
司会者のうち右の男性はチョン・ヒョンム"アナウンサー"です。
今はフリータレントで大活躍ですね。

■歌謡祭の観覧概要
  • 私事ながら、この年は年末年始に一週間韓国に滞在して、年越しも体験しました
  • 韓国旅行社のツアーをネットで見つけて申し込みました。観覧+ホテル1泊で36,000円でした
    写真B1
    写真B2
  • 会場には、私たちのようなツアー客と、当日枠(先着順?)の客がいました
    ツアー客は指定席ですが、本番間際まで空席だとスタッフが当日枠の客を誘導してしまいます
    本番直後に通路や階段などで何組かがもめていました。高い代金で参加してこれはないですよね…
写真C
自分の席からの見え方はこんな感じでした。近くはないですが肉眼でもよく見えます。
  • 各々が持ち歌の他にもう1回出番をつくりながら、無駄のないテンポの良い進行でした
  • レジェンド特集として、オム・ジョンファとシム・スボンのカバーステージを数組が披露しました
    (が、当時はこの方々の存在を知らず、「知らない歌を披露しているなぁ」という印象でした)
  • オープニングのペナントや、歌手より目立つ周囲のパフォーマンス(T-ARAの時のブレイクダンス等)が「昭和の紅白」のような雰囲気を感じました
  • トリのSuper Juniorのステージの時に、前方に舞台向けモニターのようなものが設置されました
    写真D
    私は何とか腰を浮かして見れましたが、私より前の席の人は完全に視界をさえぎられました
    さっきの件といい、「高い代金を払っても、現場スタッフの方が強いんだ…」と思いました
  • ラストの全員集合場面は、後方の席の人は前席の通路まで下りてきて写真撮り放題でした
    写真E

■K-POPガールズの2011年(歌謡祭出演者編)
それではここから、この年特に韓国内で活躍したK-POPガールズについて振り返ります。
歌謡祭での観覧の感想を、動画の下に簡潔に書いています。アーティスト名のABC順です。

○4Minute - 「鏡よ鏡


4Minuteはあまり衣装を揃えないグループと思いますが、その意味ではこの曲は珍しいです。

私が初めて渡韓したのがこの年の4月ですが、街中でよく流れていた曲の一つで印象深いです。
その後は、個人的には隔年ヒット(2013年「What’ Your Name」が最高)のイメージがあります。
一方この年は、ヒョナが夏に「Bubble Pop」冬に「Trouble Maker」とソロ活動に拍車をかけました。
今思えば、今年の契約更新結果を呼んだ転換点の年だったかもしれません。

○Davichi - 「さよならと言わないで」/ 「百万本のバラ」(原曲シム・スボン)



日本でも有名な「百万本のバラ」のカバーを熱唱。なじみのある曲を観れたので驚きました。

2008年のデビュー直後は、「愛と戦争」「8282」「時間よとまれ」などの元気系で人気だったDavichi。
この年10月発表の「さよならと言わないで」では雰囲気を変え、音楽番組1位を獲得しました。
以後今に至る女性バラードデュオの第一人者として地位を固めた年でした。

○f(x) - 「Pinochio


この年4月発表の「Pinochio」は、怪我で約1年活動休止していたアンバーの復帰作でもありました。
脱退したソルリも含めて、各メンバーの個性的な魅力は今に至るまで変わりません。
そういえば2009年デビュー組ですが、現メンバーの契約は大丈夫ということでいいのかな?

○IU - 「いい日 (좋은 날)」+「君と私 (너랑나)


この頃は喉の保護として「いい日」の三段高音をしない状態が続いていました。

ガールズグループ全盛の時期に、ソロで太刀打ちできる稀代の存在でした。今でもそう思います。
いい日」「君と私」の壮大なファンタジー系から幅広い年代に愛され「国民の妹」と呼ばれました。
ただ必要以上に膨らんだ純真無垢のイメージが、翌年のSNS事故の影響をより広げたと思います。
個人的には、女優や広告モデルではなく「歌手IU」を、音楽番組や歌謡祭でまた見たいです。



歌謡祭第二部のオープニングで披露されたシャッフルダンスです。
ガールズではf(x)、4Minute、IUが出演。「IUがこんな踊りするんだ!」と驚きました。

○miss A - 「Goodbye Baby


前段の和太鼓演奏が、いかにも昭和の紅白だなぁと現地で感じました。

前年2010年にデビューし最短地上波1位の記録保持者でした(今年BLACKPINKが破りました)。
当時のJYPのエースとして、2013年までは1位常連の状態は続きます。
一方、スジがこの年にTVドラマ「ドリームハイ」、翌年は映画に主演し、女優として地位を築きました。
スジの人気が上がるほど、逆にアーティストmiss Aの存在感が徐々に薄れてきた感がありました。
今はJYPのエースはTWICEに引き継がれ、今後はジアを含めて個人が光る時期かなと思います。

○Secret - 「Shy Boy」+「Love Is Move」 /「Poison」(原曲オム・ジョンファ)



カバー曲のステージは音響酷かったんですね。現地でも時々マイクの不調が気になりました。

デビュー後の苦労を乗り越え「Shy Boy」で初1位を獲得した年。間違いなくキャリア最高の年でした。
ただ10月発表の「Love Is Move」は少女時代と活動時期が被ってしまい、注目を得られませんでした。
今思えば、これがSecretが「その先」に行けなかった転換点だったかもしれません。

余談で、以前にも書いたかもですが、この年11月下旬にはヒョソンがこんな状態でした。



この授賞式の前日に転倒による大怪我をしたのですが、大活躍のお礼を直接言いたいという思いから、 まさに「這ってでも来た」という感じでした(ただしパフォーマンスは約一か月できませんでした)。
歌謡祭観覧の際は、そんな時期の直後だっただけに一番大きな声援を送ったのを思い出します。

○SISTAR - 「So Cool」 / 「その時その人」(原曲シム・スボン)

(※別日の映像です)


この日の「So Cool」ステージに衣装論難があったせいか、当日の単独動画が残っていませんでした。

前年にデビューし1位も獲得済でしたが、この年までは健康美を前面に出した有望株の位置でした。
(今思えば、宇宙少女ソンソの健康美はここから受け継がれたものでしょうね)
翌2012年に「Alone (나 혼자)」の大ヒットでトップグループの地位を確立しました。
実力ももちろんですが、海外進出をせず国内のファンを固めたことが奏功したと思います。

○少女時代 - 「The Boys」 / 「Festival」(原曲オム・ジョンファ)



普段は胸に目が行くことはまずないのですが、「Festival」の時のソニは…。客席から釘付けでした。

日本での活動が最も多忙だったこの年、一方で実は韓国活動では少し正念場でした。
10月発表の「The Boys」はこれまでの曲調と異なる冒険作で、ファンの間でも賛否がありました。
しかし蓋を開ければ安定の1位連取、後述のWonder Girlsとの直接対決も完勝でした。
"今は少女時代 これからも少女時代"を改めて見せつけた年になりました。

○T-ARA - 「Cry Cry」+「Roly-Poly」 / 「裏切りの薔薇」(原曲オム・ジョンファ)



歌謡祭などはリミックスが多いですが、「Cry Cry」は荘厳なオリジナル伴奏で聴きたかったです。

少女時代とKARAを追う一番手として、当時としては短い間隔で獅子奮迅の活動でした。
前年11月「うぇいろに」6月「Roly-Poly」11月「Cry Cry」そして翌年1月に「Lovey-Dovey」。
(ちなみに今年のOH MY GIRLは、前年10月~3月~6月~8月~11月とこのペースを超えてます…)

日韓で人気が急上昇した、間違いなくキャリア最高の年だったと思います。
そして、前を走る2組に追いついた、その象徴のはずだった2012年7月の日本武道館公演…。
その後のあれほどの影響を、この時誰が予想していたでしょう。

○Wonder Girls - 「Be My Baby」 / 「分からない」(原曲オム・ジョンファ)



少女時代とデビュー同期(2007年)で最大のライバル。この年の11月が3年ぶりの韓国活動でした。
ブランクからどれだけ人気を保っているか、くしくも少女時代の活動期間と重なり比較注目されました。
音楽番組1位候補の直接対決となった11/18のミュージックバンクは、今でも語り草です。



結局少女時代を破っての1位はならず、このメンバーでの活動は事実上終焉に向かいました。
2013年にソネが結婚し、ソヒは移籍(女優転向)。今後は他のメンバーも個人活動と思われました。
それだけに2015年のソンミ再加入+バンドスタイルでの復活は、本当に奇跡を感じました。


■K-POPガールズの2011年(KBS歌謡祭未出演編)
この日の歌謡祭に出演しなかったものの、当時を語るうえで欠かせないK-POPガールズを振り返ります。

○KARA
1~4月のいわゆる「KARA事態」はグループ存続の危機でしたが、この年は乗り越えました。
5月のドリコンでステージ復帰、8月に「STEP」発表。一方で日本活動は精力的でした。
様々な思いの詰まった「今、贈りたい『ありがとう』」は、個人的に日本語曲のベストソングです。



○RAINBOW / Afterschool
この年発表されたRAINBOW「To Me」とAfterschool「Shampoo」は、いずれもダイシダイスという 日本人がプロデュースした曲です。ピアノの切ない伴奏が美しく、街中でもよく耳にしました。




しかし1位を取るには至らず、その後は日本進出による活動空白や人気メンバーの個人活動などにより、 グループとしての人気は徐々に低迷していきます。この2組はこうした共通点が多いです。

○GIRL'S DAY
この年上り調子だったグループの代表格です。2010年のデビュー直後は不本意でした。
3月発表の「ぱんちゃぱんちゃ」で、MVのミナの怪演?とママママダンスが人気を博しました。



翌年はやや足踏みでしたが、2013年「女性大統領」(う、いま微妙…)で初1位を獲得しました。

○Apink
この年の新人グループの中で最も活躍し、また現在も成功している数少ないグループです。
4月に「分からない」でデビュー。IUを意識した?ウンジの高音シャウトが印象的でした。



11月発表の2作目「My My」が、翌年1月のエムカで初1位を獲得。今の地位を築きました。

○RaNia
デビュー曲「Dr. Feel Good」は、新人離れしたカリスマ性を前面に出した勝負作でした。
米国敏腕プロデューサーのテディ・ライリーの元、初めから世界を目指していました。



しかし、先輩グループの層の厚さと早すぎた海外進出で、国内ファンを獲得できず伸び悩みました。
人気メンバーだったタイ人Joyが、家庭事情(実家の水害被災)等で脱退したのも痛手でした。
2015年に奇跡の復活を遂げましたが、その後今に至ってもメンバー再編が続いているようです。

他の2011年の主な新人は、Dal★Shabet、Brave Girls、Stellar、Chi-Chi、Chocolat、C-REALなど。
この時期に新人グループがあまり育たなかったことが、以後2~3年のガールズ低迷期の一因でした。

○2NE1
YG得意の短期集中リリースで「Lonely」「Hate You」「Ugly」が次々チャート1位になる状態でした。
特に「내가 제일 잘 나가 (I am the Best)」は、「カリスマ2NE1」の象徴のような曲です。



今思えば、2NE1もこの年がキャリア最高の年だったかもしれませんね。

■総括
今年に解散や契約満了を迎えたグループが、この2011年はみんな輝いていました。
また、翌2012年以降ガールズグループは全体的に少し低迷期を迎えるのですが、 当時の失敗や試行錯誤の反省から、昨年あたりからのガールズ活況につながったと考えています。

私が初めてK-POPに興味を持ち、特に思い入れの強かった2011年。
長くて読みづらい点も多々あったかと思いますが、お楽しみいただければと思います。

写真F