TeeZeeです。
今回は、この時期の韓国の風物詩と、それにかかわるK-POPアーティストを紹介します。
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韓国では、日本の「大学入試センター試験」にあたる試験が毎年11月に行われます。
日本以上の学歴至上社会と言われる韓国では、この試験は一種の「社会的イベント」です。
そして、現役高校生も多いK-POPアーティストは、自らも受験生として参加するメンバーもいます。
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今年の大学受験にまつわるシーンをまとめてみました。

■年に一度の「受験生が主役」の日
この試験は、正式には「大学就学能力試験」、略して「修能(スヌン)」と呼ばれます。
大学別の二次試験は小論文や面接などしかないため、英語・数学・国語などの主要科目は事実上スヌンの「一発勝負」です。
試験の点数で受験可能な大学が決まるとされ、追試や再試験は一切なく、全受験生の人生がこの一日にかかっています。
毎年11月上~中旬の木曜日に行われ、今年は11月17日でした。


試験会場前には、熱烈応援の後輩たち、励ます先生方、そしてわが子を心配する親御さんが集まります。
重圧で泣きそうな受験生も見えますね。これがスヌンの重大さを表します。


そして、遅刻しそうな受験生を、警察・救急やボランティアの車両で会場に緊急搬送します。
警備誘導も含めてきわめて体系的です。そして関わる人たちが嫌々ではなく皆親身になっています。

その他、朝の電車バス増発や警察による試験場周辺の混雑防止警備はもちろん、
官公庁などは始業時間を繰り下げ、英語ヒアリング試験の時間帯には飛行機の離着陸が禁止されます。
また、寺院や教会などでは、試験時間中に父母向けの祈祷会が開かれ、受験成功を祈ります。

外国人には不思議に見える光景ですが、「社会全体が家族のよう」な韓国社会の一面だと思うと、理解しやすいと思います。
日本も高度成長期あたりまでは(ここまで極端ではないにせよ)こんなマインドがあったかな。。。

■K-POPアーティストも応援
受験日が近づくと、アーティストも応援映像を公開したり、SNSでメッセージを送ったりします。
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(写真は新人ガールズグループOh BlissのSNSより)

ファンの年齢層というのもありますが、元々韓国の芸能人は、社会的行事に対して積極的に発信します。
(選挙の際に自分の「投票認証写真」を投稿し、間接的に投票を呼び掛けるのが最たる例です)
以下は、動画サイトで見つけた今年のガールズグループからの応援映像を集めてみました。

○Berry Good・Dal★Shabet等 (※1:00~)

Berry Goodは、画面左側の3人が受験生です(が、推薦で進学は決まったという情報もあります)。

○SONAMOO

トイレットペーパーは「記憶がスルスル出るように」という「受験のゲン担ぎグッズ」です。
他にも飴は「くっつく=合格する」という縁起物で、逆にワカメは「すべる」という禁忌物です。

○Red Velvet

ウェンディから「チキン100匹用意しました」と、SNS応募イベントが公開されています。
受験から解放された学生を対象にした各種サービスは、街中の店舗でも数多くみられます。

○DIAチェヨン

ドラマで受験生役、何よりこの1年の「大当たり(デバク)」実現で、応援動画の最適者だと思います。

○Heyne+Purfles(※2014年公開)

これは2年前の動画ですが、試験前の注意事項を寸劇で示していて、印象深かったので紹介します。
この4人は当時で21~24歳なのですが、高校生役よく頑張りました。

■私も受験生! お互い頑張ろう
今年スヌンを受験したアイドルの、試験当日の動画ニュースを集めてみました。
試験前にもかかわらず丁寧に対応していますね。

○TWICEダヒョン

インタビュー後に差し入れをたくさんもらっていますが、スタッフ預かりになったようです。

○GFRIENDシンビ・オムジ

得意科目を訊かれて、オムジは「英語と国語」シンビは「社会」と答えています。
そういえばオムジは11/19のmelon music awardで無事復活ステージに上がりました。快癒祝賀!

○宇宙少女ウンソ

「メンバー達がお弁当を作ってくれました」と言って、カバンを見せています。
お弁当を作るメンバー達の様子。


実は上記TWICEとGFRIENDの2組もお弁当(トシラク)に言及していて、ガールズグループではお約束のようです。

ウンソ


○元APRILヒョンジュ+MOMOLANDナユン

ヒョンジュは元気そうで何より。もしかしたら脱退後初めての公式の場ではないでしょうか。
彼女も得意科目は「国語(クゴ)」のようです。
ナユンはスヌン直前にデビューだったんですね。激動の11月だったと思います。

ヒョンジュ

その他CLCイェウンなど、高3アイドルは受験する方が一般的と言われています。
また、前述のBerry Goodの3人は推薦合格が決まったようです、ソースはこちらの記事です。
http://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=2056998

一方、Lovelyzイェイン、I.O.Iキョルギョンなどは、今年は受験せず活動に専念とのことです。
かつてはIUやMiss Aスジなどが受験見送りを公表し、徐々に増えていますがまだ少数派だと思います。
またGFRIENDソウォンのように、在学中には受験せず、デビュー後の昨年にスヌンを受験して今年大学に入った例もあります。

■おまけ
シャレの話だと思いますが…「スヌン禁止曲」といわれる曲があります。
勉強あるいは試験中に「頭の中でグルグル残る」ため、受験生は聴いてはいけないとされます。

以下は、代表的な禁止曲である「Ring Ding Dong」や「Pick Me」などが面白く紹介されています。

元C.I.V.Aのイ・スミンが、人気バラエティ番組「SNL KOREA」で活躍していますね。

■総括
「社会全体が受験生のために動く」スヌン当日の光景を、私もいつかこの目で見たいと思っています。
実はエムカ観覧の11/10(木)は「もしかしたら」と期待していたのですが、一週ずれていました。
ちなみに11/17のエムカは生放送でなく過去映像の特集でした。歌謡界も協力してるんですね。

そして、割愛しましたがボーイズや俳優を含めた芸能人受験生、いや全ての受験生のみなさん、またご家族や先生方、官民一体で全力でサポートした方々、おつかれさまでした。
応援を頑張った高校2年生は、来年は君たちの番ですよ。ファイティン!
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